2015年9月24日木曜日

アニメの色彩(1)

久しぶりにアニメの具体的な技術について。
仕上げ・仕上検査・色彩設計(カラーデザイン)などのアニメーションのキャラクター(小物も含む)の色に関する職種とアニメの色について自分のわかる範囲で紹介します。
まずは物凄くおおまかな仕事の流れについて。
細かいことは他の書籍などで調べてください。

まずは色彩設計さんが、キャラクターの色を決めます。
よく使われる小物の色なども色彩設計が決めます。
この時、色指定表というものを作成します。

それを色指定と呼ばれる役職の方がカット毎にどの色指定表を使えば良いか指示します。色指定表の無いキャラクターや小物や水やら煙やらは、色指定さんが色を決めます。

次にアニメーターが描いた動画に「仕上げ」と呼ばれる役職の方が色を塗ります。

最後に「仕上げ検査」と呼ばれる役職の方が色指定の通り塗られているか、などを確認して撮影に回します。
しかしこの仕上げ検査、昨今非常に重たい仕事になっていてその訳は後述します。

ざっとはこんな順番でアニメのキャラクターの色は着いていきます。
キャラクターのと言うのはアニメの色はキャラクターだけでなく背景美術もあってその2つが合わさって1つの画面を構成するのです。
保田道代さんというジブリの色彩設計を長らく務めてらっしゃった方が自分が日本で初めての色指定ではないか、と著書のなかでおっしゃっていましたが、日本のアニメ黎明期は美術監督さんがキャラクターの色も決めていたようです。
現在でも基本的には背景美術の上にキャラクターを乗せて最終的なキャラクターの色味を決めます。

アニメの観客はキャラクターを追いながら作品を見るので、背景よりキャラクターが目立つように調整するのがアニメの色の基本です。
が、昨今リアル系の写実的な作品では背景にかなりなじませて作ってるものも多いです。
特に夜のシーンの色はなじませすぎテレビだとわからないんじゃ?てか実際見えないよ……という作品も多いですね。

背景との関係性もさることながら、キャラクターの色はやはりキャラクターそのものの個性を何より表現していなければなりません。
主人公は赤!とか物語での立ち位置も色で表現できちゃったりします。
最近は色の全ての作業はコンピューター上でのデジタルデータに置き換わったので、色も昔の絵の具では表現できなかったようなたくさんの色が使えるようになりました。
しかし、アニメのキャラクターは基本べた塗りの色面で構成されているので微細な差異はあまり表現できません。
なので、キャラクターの色彩を作るときの基本的な考え方はあまり変わってないんじゃないかと思います。
目や髪にグラデーションを入れたりするのは現在の技術だからこそできることですね。
服にテクスチャーを張るような試みもいろんな人がしていたようですが、撮影さんでの作業がかなり負担になるのと、あまり思ったような表現が得られないのとでそれほど浸透していませんね。

キャラクターデザインの段階で色を変えられるパーツはある程度決まってしまいます。
シャツとパンツとかシャツならボタンと生地とか。
色のイメージが線画のデザインの段階でないと色をつけても上手くいかないことがあります。
最近はキャラクターデザイナーもデジタル上で色を塗ったりする人が増えたので、デザインである程度加味されているケースも増えました。
ただ、がっつり色が塗られていると気を使って色彩設計がそれを拾わなければみたいな雰囲気になることがありますが、それは良くありません。
美術や小物なども含めて全体の色彩設計のバランスを考えられていないことがままあるからです。
オススメは白黒のモノトーンでざっくり色を乗せて考えるという方法ですが、まだやっている人を見たことがありません。
色はやはり最終的には一人の人間が方向性を決めるべきで、基本的には色彩設計がその任にあたります。

色彩設計さんの仕事も膨大で気の遠くなるようなところがあります。
まずは一つのキャラクターにたくさんのパーツがあってその全ての色(1つのパーツに対してハイライト・ノーマル・1号影と最低3種類、その他に2号影をデフォルトで決める場合もある)を決めなければいけない。
さらに、シーンによって(夕方・夜など)色を変えなければいけないので、そのバリエーションが必要になる。
さらにキャラクターの人数の分その作業が必要なので、メインキャラクターの人数の多い作品は本当に大変なのです。
最近はモブといって街の群衆などに使うための色のパレットを出す設計さんも少なくありません。
基本的には設定のないキャラクターは色指定が色を決めるのですが、世界観に合わない色や目立ちすぎる色を使ってしまうなどということが多発して、いつの頃からか参考を出す人が増えたようです。
アニメーターでいう総作監的な仕事を色でやっているのですね。

色を見れば誰が色彩設計か分かる人もいるくらいで、結構個性の出る仕事なので誰が色彩設計をやっているのか気にしながら見ると面白いと思います。

暇を見つけて続きを書きます。


2015年9月13日日曜日

誰も語らない、子どもの「性的虐待」の現実

パッと目にしたこの記事、身近にも被害者だった人知ってるし、多いだろううと思っていたものの、これが確かなら思っていた以上に酷いなと感じました。
記事の後半で、

寺町:植田さんと同じく「被害者は悪くない」という認識を、もっとしっかり周囲が持つ必要があると思います。また、性暴力が消費されている現状は大いに問題です。AVには暴力的なものが多いですし、10代の少女向け漫画は妄想が行き過ぎています。「壁ドンがかっこいい」という女の子の認識も問題がありますが、デートDVとしか言えない関係が普通のこととして消費されていますよね。

というくだりがあって、ここが非常に複雑な気分にさせられました。
フィクションが現実とどう折り合いをつけていくのかは難しいなあと。
特に性的なフィクションは…
フィクションでも殺人が肯定的に描かれる事はあまり無いですからね。
かといって性的フィクションを厳しく取り締まっていくというのも、なんだか的外れな気はしていて…
とにかくこういう被害が膨大にある事を念頭に置きつつ物語をつくらないといけないという事ですね。

2015年9月1日火曜日

映画のアトラクション化

絶好調のジェラシックワールド。
4D上映がどうも面白いらしい。
らしい、というのは自分は観られてないからであるが映画館の予約もあっという間に埋まってしまうようで、都合のいい時間に観に行くことがなかなか出来ない。
4Dの映画館はやはり数が少ないの競争率が高いのであろう。
IMAXの映画館が増えたり数年前からまた映画館がアトラクション化し始めているようだ。
3Dの普及もそれを後押ししたのだろう。
だいぶ前IMAXの劇場が流行って、廃れた。
廃れた原因は主に作品の少なさにあったように思う。
科学映画のような作品が上映されていて作品の数も少なかった。
最近は技術が進んだこともあり画面の大きさに耐えうる画づくりが可能になって、3D化がその良さを存分に引き出しているのだろう。
しかし、4Dにしろ3Dにしろ、それが物語を語る上での技術革新になり得るのかはまだよく分からない。
自分はアニメーションをつくっているので、あまり真剣に4Dや3Dの面白さについて考えた事がないからというのもある。
とはいえ、画の面白さは間違いないので少なくとも3Dに関しては考える価値がありそうだ。