2015年2月23日月曜日

周りに若い子が増えたり…

最近、自分の仕事で若い演出の子が増えた。
皆、演出になってまだ1〜2年くらいの経験。
若い子が増えるのはいいことだ。
若い子ばかりでも面倒見切れないので、今はちょうどいい案配かも。
手のかかる子がほとんどだが、最初からセンスがあって早く出世しそうなのもいる。
実際の出来はどうあれ、みんな心の奥底では自信家だ。
若者とはそうでなくてはね、と思いつつ、
ふと、若い頃の自分がどう見えていたんだろうと考えると恥ずかしくなった。
挫折は沢山味わうだろうけど若い時は勢いで進むしかないからね。

2015年2月7日土曜日

ISILの残虐映像について

ISILがヨルダン人パイロットを焼き殺す映像を見た。
見たと言ってもざっと早回しでだけれど。
ただ殺人部分の映像であれば見なかったと思うが、映像が凝っていると言っている人がいたので興味があった。

*ひどい映像なのであえて見る事はお勧めしない。

言われていた通り、かなり凝ったものだった。
映像は全体で22分ほどだが、実際の殺人の部分はラストの5分ほどに過ぎない。
その前はパイロットが捕まった経過などをCGを交えながら解説したりパイロットへのインタビュー映像で構成されている。
言葉が判らないので何を言っているかは詳しくは判らなかったが、英語のニュースなどで詳しく解説されているようなので、映像以外の内容はそれを参照すれば良いと思う。
映像はとにかく無駄に凝っていた。
かなり本格的な映像のプロが絡んでいると思われる。
編集・音楽・CG・テロップなどの映像処理、パソコンがあればかなり凝った事が出来るとはいえ(適切な表現ではないかあもしれないが)巧い。
プロでないにしてもかなりの熟練者が作っているのだろう。
基本はドキュメンタリー的だが、演出が過剰でドラマティックだ。
彼らにとって現実とフィクションの境界は曖昧なのかもしれない。
本人達に自覚はないかもしれないが世界を混乱に貶めている事に快楽を覚えているだけの集団なのであればああいった映像を作ろうと思うのも納得がいく。
かつてであれば徹底的にリアルな表現を必要としていたであろう集団が、ドラマティックでフィクションにも見えかねる様に映像を飾り立てている。

そんな現実を見た今、僕らフィクションの作り手は戦争や残虐というものを映像で表現していく時どういうアプローチが必要なのかということは、かなり深刻に考えざるを得ないだろう。

気づかなかったけど

このブログを書き始めて6年位経ってるということに気づいてびっくり。
そりゃあ自分を取り巻く状況も変わる訳ですね。
6年前というと業界の仕事が凄く減ってた時期、あの頃に比べると随分仕事の数は増えて助かってるんじゃないでしょうか。
仕事が沢山有ると下手な人しか捕まらなかったりするので、仕事減ればいいのになどと発言する人(アニメーターが多い)がいますが、仕事のない恐ろしさを知っている身としては下手な人と付き合わなくてはいけないとしても仕事は多い方がいいと思っています。
仕事が少し減ると演出家なんてあっという間に食いっぱぐれますからね。
アニメーターはまだ小分けに仕事が貰えるので仕事の減る感じが他の職種よりゆったりしているますが、演出家などは突然パタリと仕事が無くなったりするので恐ろしくてしょうがないです。
この先のアニメ業界はどこへ向かっていくんでしょうかねぇ。
ここ数年で大きな変化が起りそうな気はします。
マニア向けの商売の行き詰まりは誰もが感じている事なのでどこからそれを崩していくのかが鍵かな。
ジブリも果たしてもう一度現場を持つのか。
マニア向けではないアニメを作れる場所は現状ではそれほど多くはないので、大手のアニメ会社と才能あるクリエイターの幸福な組み合わせが生まれる事を願います。

2015年2月5日木曜日

雑誌の取材とかについて

アニメに限らず雑誌の取材とかは、ほとんどというか全てギャラは出ません。
しかしながら宣伝のためということで監督などは協力します。
イベントなんかも監督はギャラ出ないんじゃないですかね?
私は貰った事ないです…
まあそこそこギャラは貰っているし余程の人気作でなければ月に何本も取材がなんて事はないのでいいのですが、たまに多いときが有ったりタイミングが悪いとボディーブローの様に仕事のスケジュールを圧迫してしんどかったりします。
人気作品の監督さんなんかは大変だと思います。
とはいえ、私なんかは作品について話すのは嫌いではなくて、コンセプトについてしゃべったり普段なかなか聞いてもらえない事を聞いてくれると嬉しいです。
でも、自分の言いたい事を言う場所ではないのでこういう事について話したい!と言う事を聞いてくれる人は少ないですね。
というかアニメ雑誌とかであんまり難しい話をしても読んでくれる人いないですしね。
面白い作品は色んなこと考えながら作ってるに違いない訳で、もちろん言えない事も山の様にあるだろうけど記録されてるといいなと思います。
言えない事…ってホントに沢山あって、たまに困りますね。
人間関係とかは特に…悪口とかいえないしね。
表に出ない作品の苦労話とかは、現場にいた人に聞くしかなくて滅法面白いやつは酒の肴になります。
愚痴ににもなりやすいけど、無茶苦茶な現場の話って後で笑い話に出来る様になると面白いですね。
大先輩から聞くいい話も現場で仕事してないと聞けないです。
アニメなんかはスタッフの発言が記録に残るなんて希有ですから、取材もなるべく頑張って受けますけど、たまにギャラ上げてよって思いますね。

2015年2月4日水曜日

アニメの断面: 新人コンテマンが出てこない訳:へのコメントへの回答


再びコメントを戴いたので、回答します。
「どうすれば絵コンテも担当出来る演出家になれるか」という事を知りたいとの事ですが、やはり状況を少々誤解されているかと思います。
能力のある演出家であれば、余程特殊な制作状況でない限り絵コンテと演出と両方担当したいといえば、ほとんど実現します。
制作に言って両方担当できるようなスケジュールの仕事を割り振ってもらえばいいからです。
能力のある演出家とは、作品によって、評価する人によって色々だと思いますが、ここでの大雑把な定義は、作品にあった演出家としての能力と引き受けたスケジュールを守る能力を備えている人とします。
テレビシリーズ1本の絵コンテのスケジュールは平均的には3週間。
大体このコンテのスケジュールが守れれば、演出・コンテ両方担当したいと言って断られる事はあまりないように思います。
現に私も自分のコンテは自分で演出する事が多いタイプでした。
もちろん新人の頃は人の描いたコンテで演出する事が多かったですが、自分でコンテが描ける様になって、さらにキャリアを積むにつれて他人の絵コンテを演出するのは苦痛になっていきました。
自分でコンテを描くと最終の画のイメージまで大雑把に考えていますので、演出の段階で
考える事が少なくて済みます。
監督もコンテマンと演出家が一緒の方が2度同じ事を説明する必要がないので楽です。
なので、出来る人がいるならコンテと演出をセットで任せたいのが皆の本音だと思います。

ですので、絵コンテと演出を両方担当出来るような演出家というのは特殊な演出家ではないのです。

さて、確かに今放映されているアニメを見渡すと絵コンテと演出が別な人の事が多いと思います。
これは何故でしょう。
個人的な見解ですが、絵コンテと演出をセットで引き受けられる中堅の演出家の不足が一番大きな原因なのではないかと考えています。
肌感覚として、中堅の演出家はどこに行っても引っ張り凧でなかなか押さえる事ができません。
人気声優さんと同じです。
今、安心してコンテと演出を任せられるような演出家がいると、あっという間に監督に引き上げられてしまっているような印象も有ります。

スケジュール的な事で言うと、自分(演出家)の空いているスケジュールと相手のスケジュールが噛み合なくて、ここで仕事はは欲しいけど演出だけコンテだけしか受けられないという場合は多々あるように思います。
スケジュールついては自分の力ではどうしようも無いので、私の場合は演出とコンテをセットで受けられない作品はなるべく避けるようにしていた、特に演出だけの仕事はなるべく避けるようにしていたくらいです。(演出はスケジュールが自分のせいではなく遅延したり体力を消耗するので収入的な効率はあまり良くないのです)

演出家を志望されているとの事ですが、雑な言い方に聞こえるかもしれませんが普通に優秀な演出家を目指せば絵コンテも演出も担当出来ます。
私がイバラの道と言ったのは小さな会社からキャリアを始める事についてです。
もちろん優秀な演出家になる道のりはどこから初めても大変ですが、小さい会社だと面倒を見てくれる人が居ない場合やチャンスが少ない事が多い気がします。
昔は、小さい会社の方がチャンスがあることがあったのですが今は少し状況が違ってるような印象です。
いやチャンスがどこに有るかは判りません…ちなみに私のキャリアは比較的小さな会社から始まりました。
でも、どこにいても頭角を現す人はいるし自分次第な部分も非常に大きいと思います。
演出家になるのに決まった道はありません。

絵コンテの仕事を任せてもらえる様になるには、自分で絵コンテを描いて監督に見せたりしていれば道が開ける事が多いと思います。
このエントリも参考にしてください。

知りたい事の答えになっていれば幸いです。