2011年6月26日日曜日

レンズの選択4

壁際から撮る話つづき、、、壁を取り除けることが可能なセットのような場所を設定するということがどういう意味があるかと言えば、レンズの選択肢を広げるということです。広角にしろ望遠にしろ対象との距離を稼ぎたい時に壁が邪魔ということは良くありまして、アニメなんだからそんなん気にしなくてもいいじゃんと思うかもしれませんが何も考えないと存在感が出ないということが起こります。カメラがどうとかで無くても人間が室内を眺めるとき壁より向こうには行きようがないわけですからその広さの感覚を超えるような映像はリアリティーを消失する可能性があるというわけです。単に広く見せたいという理由もあるのでしょうが不動産の広告などで部屋の全体を見せるために広角レンズを使った時、実際に部屋を見て狭いじゃん!と思うのもリアリティーの喪失の一例です。実際に想定した部屋を想定した広さで見せる(感じさせる)のには工夫が必要ということです。実際に撮りたい画とリアリティーの折り合いをうまくつけるにはレンズの選択は凄く重要になってくるわけです。で、広角レンズを使うと狭さを表現するのがなかなか難しいので画角を狭くしていくと今度は対象との距離が稼げないので、じゃあ壁外すか、ということになったりしてくるわけですね。
ということで広角の特徴を並べてみます。
・対象物との近さを表現しやすい
・空間の奥行きを強調する、ので空間の狭さを表現しにくい
・レンズの歪みが強く出る
・被写界深度が深い(ピントが合いやすい)
そうだ、被写界深度の話してなかったと思いだしたところでまた次回。

2011年6月24日金曜日

レンズの選択3

広角レンズつづき。。。広角レンズ使う時に厄介なのが歪み(ディスト―ション)です。画角が広くなるほど丸い(防犯カメラの映像とかであるような)歪みが出てしまいます。なので女の子の顔とか近くで写すとひどいことになるというわけです。アニメの場合はある程度であればごまかしがききます。『けいおん』も多少ごまかしてると思われ。。。そもそもアニメのキャラクターはちゃんとした立体ではなく2.5次元的に作られてるのがほとんどなので、もともとごまかしはいっぱいやっていて背景のパースと人物のパースが少し違うけど画としては気にならないというこはありえます。肖像写真とかで望遠レンズ使うのは歪みが少ないからですね。2次元のアニメにおいてカメラを動かすというのは現実のカメラで写した映像とは違っていて、背景動画にしない限りは一枚の写真の上で視線をめぐらすようなものです。実際には背景を切り分けて擬似的に奥行きを作ったりはしますがあくまで疑似です。広角レンズにおいては、そこがすごく顕著に出てしまうので広角の画でカメラを動かすと平面であることが強調されます。(←多分ここはそんなことない!という方もいると思いますが)あと、広角の使われ方でよくあるのが狭い空間にカメラを入れたい時、例えば壁の近くに立っている人物を壁側から撮る(そんな画つくるなよという声も聞こえてきそうですが)なんて時に使われがちです。人物じゃなくても壁際に置いてある花瓶をなめて室内の人物を写すとか、ありがちです。カメラにすごく接近したものを(この場合花瓶)撮るときカメラと対象物がすごく近いということを表現するために広角をつかうわけですね。画角を狭くすると対象物との距離を強調してしまうことがあるので、そこに不自然さ感じる人がいる。壁側から撮る問題は実写で言うセットを使うかかロケセットを使うかということも絡んでくるのでまた複雑なんですが。。。つづく

2011年6月21日火曜日

レンズの選択2

更新間があいてしまいました。。。まずは最近の主流は少し広角の絵かなと。室内でバストアップより広い画だとその傾向が顕著かなと思います。なんでかっていうと背景をしっかり見せたい、か空間、奥行き感を強調して見せたいからですね。カメラ振らなくてもカット詰まなくても広角気味であれば端的に空間を見せられます。これはなかなか画力が必要なので自信がないと出来ないですが、徹底的にやってるのが『けいおん』。かなり意識して広角気味の画を使っていたのではないでしょうか。アクション物なんかだと広角を使って奥行きを強調するというのは手前奥の動きを強調するのでその効果のほどが端的に判るのですが、日常芝居で広角を使うというのは奥深い問題なのではないかと思います。例えば『けいおん』であれば背景をしっかり見せることでキャラクターの存在感を際立たせる。難しいパースであってもそこにしっかりとキャラクターが乗っていることによって存在感を高めるというようなことを狙っていたのではないかと感じました。風景も現実にある場所を意識して使っていましたから、空間を使ってキャラクターの存在感を高めるというのは『けいおん』ではかなり至上命題だったのではないかと思います。しかし、広角を使うと何故存在感が高まるように感じるのかということは、あるいは感じるのではないかと演出家が考えるのかということは非常に興味深いです。キャラクターの存在感を高める方法は空間を強調する、という方法だけでは無いですから何故敢えてそこに突っ込んでいくのか。自分が思う一つの理由は「広角でパースの強調された絵は描くのが難しいので他作品との差異化が図れる」ということです。すこしロングめの画で広角を使ってかっこよく空間を見せるくらいのことは結構どの作品でもやっていますが、腰から上のアップそれ以上の寄りの画でも広角を使うのは背景の手間も極端に増えますしなかなかやれません。広角気味の画を使うのはアニメに限って言えば豪華とイコールでもあるというところでしょうか。しかし室内で広角をメインに使うというのはうっかりすると人間の見た目と離れるというリスクを背負ってる思うのでそこは扱いが難しいかもしれません。つづく

2011年6月15日水曜日

レンズの選択1

久々に技術的な話。光学のレンズは人間の視野に近いものを標準レンズ、それより広いものを広角レンズ、狭いものを望遠レンズと大雑把に3種類に分けていますが、アニメで絵を作る時も(特に最近は)参考にされます。遠近法を使わない構図の作品もあるのですが非常に希少なので光学レンズの特性はほとんどのアニメの絵作りの基準になっています。さて、どういう時にどういうレンズを使うかというのは、作り手によってかなり個性が出ます。そもそも、光学レンズの正確な再現にどういう意味があるのかも問うてみるべきなのですが、まあそういう議論は放置されてる感がありますが。。。それは別の機会にして画角の選択だけでもなかなか悩ましいものです。つづく

2011年6月8日水曜日

大人だけの王国…はゴメンだ

アニメが何となく子供のものだけでは無くなったのは、いい事なんだろうか?昔は自分も大人向けのアニメがつくりたい。そういう作品もあるべき、と思っていた。
子供向けの作品がメインでは無くなったのは主に商売上の理由で、子供が少なくなったりして玩具メーカーのマーチャンダイジングの商売が減って、パッケージ売りがメインになったからだけど、勢いファンの平均年齢は上がる。昔に比べたら安くなったとはいえパッケージはやはり高いから低年齢層は買えない。ファンの数全体は増えたのだろうけど、平均年齢は高くなってる。
大人向けの文化、は山ほどある。子供向けの文化は?基本的には少ない。何故って世の中には大人の方が多いし、力を持ってるから。アニメは子供がとっつき易いメディアだ。でも、大人向けのアニメが多くなったら?
大人でも見られる作品と大人しか見られない作品は全く違う。大人向けの作品は大人しか見られない危険を張らんでいる。その事に自覚的であるべきだと思う。
子供を置いてけぼりにしたら、アニメは老いて駄目になってしまう、んじゃないだろうか?
アニメなんて子供の見るものだ、だからくだらないと考える人は未だに沢山いると思う。しかし、子供の見るものだからこそ重要なんだ、大人の為につくってどうすると最近強く思うようになった。自分が子供の頃観ていたアニメの作り手達はそういう風に考えていた人達が沢山いたと思う。でも、観客の年齢層が広くなっていくに従って自覚されにくくなってしまった。今は大人が、大人か、それに近い大きな子供の為に作るマッチポンプをやっている。アニメやマンガはそういうマッチポンプでないところがよかったはずなのに。大人から子供へのメッセージだったはずなのに。
自分が大人向けの作品を作りたいと思っていたのは自分が子供だったから大人に認めてもらえるような物が作りたかったんだと思う。自分はもうどちらかというと老人に近い年齢になってしまったが大人の為につくろうとは全く思えない。大人が観ても陳腐にうつらないような物にしたいという風には考えるが、それは大人の為に作るという事ではない。大人という物は、それなりの見識を備えていたりもするが、それを墓場に抱えていってもなんの意味もない。子供に渡さなければ。
この国の老人達は、子供たちの事を考えていないんじゃないか?と、本気で疑いたくなるこんな状況のいまこそ子供の為に作品を作るべきなんじゃなかろうか?
大人たちだけの世界なんて真っ平御免だぜ!
と、なんかでかい話なってしまった気もするが心底思う今日この頃です。。。

2011年6月1日水曜日

この記事とか…

海外に足掛かり作るのをようやく始めた感じですかね。もう国内のパイが大きくなりそうもないし、なにより経済が落ち込むのは間違いないですからやらざるを得ない感じでなのでしょう。いい方向に向くといいけど。。。